This dynamic work is a miraculous balance of elements of the occult, battle, and romantic comedy, as the relationship between Momo (Ayase Momo) (voiced by Wakayama Shion), a high school girl from a family of spiritual mediums, and Okarun (Takakura Ken) (voiced by Hanae Natsuki), a boy who loves the occult, changes as they fight aliens and monsters.
The TV anime of this work will start broadcasting on Thursday, October 3, 2024! How will Ryu-sensei’s overwhelming drawing ability and the momentum of the story be expressed in animation? It has attracted a lot of attention both in Japan and overseas even before it airs.
The man at the helm of “Dandadan” is Director Yamashiro Fuuga, who has served as director and assistant director on various works produced by Science SARU.
What became clear from Director Yamashiro’s story was the true nature of this film, which is full of his particular attention to detail, and his own limitless desire for expression.
Enjoy the behind-the-scenes story of “UMA (Unidentified Mysterious Animation),” which brings together the original work by Ryu Sensei, Science SARU, and the personality and power of Director Yamashiro!
–Have you read the original Dandadan manga before?
Director Fuuga Yamashiro (hereafter, Yamashiro): To be honest, I don’t read a lot of manga. It’s been about eight years since I started working, but I think I’ve only read two works, “Keep Your Hands Off Eizouken!” and “Dandadan,” which I was in charge of animation production for Science SARU.
That’s because when I start working, I get so absorbed in it that I lose all my time. I sometimes work while watching videos, but since I started working, I don’t think I’ve been able to read manga much. It’s not good to lose the opportunity to input information, but I think that’s why I can enjoy it in a fresh way, and “Dandadan” hit me right from the first impression. I tried to reproduce the feeling I had at that time on a 16:9 screen.
Could you also tell us how you became the director of this film?
Yamashiro: I was assistant director on “The Tatami Room Time Machine Blues,” and when I finished that job, I was asked, “How about directing “Dandadan?” I replied, “Of course I’d do that” (laughs).
— (laughs) So it’s been decided?
Yamashiro: Basically, my stance is that I’ll do anything and everything if I’m offered a job.
–This film is also your first directorial work.
Yamashiro: I’m happy and scared about that, but I’m honestly happy that the opportunity came my way. I was worried, but I had no choice but to move forward. How should I put it… I felt like there were two of me. It was like I was being told “Go for it!” and “Don’t do it!” (laughs).
–After reading the original work, you said that it “hit me right from the first impression,” but what was it about it that attracted you?
Yamashiro: I thought it was rare to see a work that had both stylish action and slapstick romantic comedy as its pillars. There are many other genres mixed in, and the speed at which it moves between them is fast and comfortable, and I think it’s a work that has gaps in many places.
Furthermore, it is packed with things that Ryu-sensei likes, and while it is a fun, jumbled mess, it has a good balance. As a result of mixing various things, all the elements are lively in a good way. I think it has something in common with “Keep Your Hands Off Eizouken!”, for which I was in charge of storyboards and direction in the past. In both works, the characters look like they are having fun, and there is a sense of ease in doing things, so I felt that I was able to work on it somehow because there were similarities.
–This film has the theme of the occult, but are you an expert on the subject yourself?
Yamashiro: Not at all (laughs). I did a lot of research while making the show in order to include lots of little jokes. I was surprised to learn that Acrobatic Sarasa (Akusara), who appears in the show, is actually a famous occult figure on the internet. Akusara has a scar from self-harm on his left hand, and I tried to incorporate that sort of thing as a little joke without interfering with the drama.
オカルトを通っていない身ではありますが、とても面白いジャンルですし、アニメ化するうえでも、可能な限り元ネタを調べて、要素を取り入れることを心がけました。フラットウッズモンスターも、原作の雰囲気と怪異自体の特性(ガスを吐いたり、浮いたり)をできる限り映像に組み込んでいます。
──周辺知識を入念にリサーチしつつ、演出を作り上げていったと。
山代:あくまで可能な範囲にはなりますが……原作にもマニアックな小ネタや様々なジャンル、展開がぎゅっと凝縮されていますが、どうしても映像になると間が生まれてしまい、濃度が薄くなってしまいます。
濃度が保たれた感覚のまま、原作の読後感を再現するためには、映像ならではの特性を活用していく必要がありました。その手法はシーンごとに違っていて、話すとかなり細かくなってしまうんですけど、本編に混ざっても違和感のないレベルで「龍先生だったらこうするだろう」という要素として足しています。
──妖怪や宇宙人のデザインに関してはいかがでしょう?
山代:全体的に、初期の円谷プロへの愛を感じました。成田亨さんがお好きでデザインに影響を受けていると先生自身も仰っていて、深いリスペクトを感じました。ですので、映像表現にも『ウルトラQ』からや『怪奇大作戦』あたりの昭和初期の匂いが出ると良いなと思って組み込みました。特にセルポ星人のシーンは、わかりやすいと思います。
新しいスタイルの中に、先人が発明した昔の素晴らしい表現を混ぜながら取り組んでいるので、今の若い方たちにとって、少し不思議で新鮮なものに映るかもしれませんし、そうなればいいなと思っています。参照する作品の方向性がハッキリしていたので助かりました。
──他に参考にされた作品はありますか?
山代:コメディシーンに関しては、2000年代に作られた宮藤官九郎さん脚本で、金子文紀さん演出のドラマや水田伸生さん監督の映画のテンポ感を参考にしました。『木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』でやっているような、コメディとシリアスが突然切り変わる感じです。個人的な感覚では、コメディシーンは初期の宮藤官九郎作品、怪奇シーンは円谷プロというイメージ。キャラクターの活き活きとした感じは『映像研には手を出すな!』をイメージして作っていました。やっぱり自分がこれまでに見てきたもの、携わらせていただいた作品の影響って大きいですね。
まずは原作を読み込んで、それにマッチする演出を研究、取捨選択をして、作品に上手くミックスしていくような感覚です。他の作品もそうですが、先人の偉大な演出家や監督がの発明してきた表現を借りさせていただいている感じです。
──ミクスチャー、サンプリング的な手法というか。
山代:単純にこの作り方が合っているんですよね。私は凡人なので、引き出しの数とその組み合わせで戦う必要があると思っています。
更に言えば、出来るだけ意味のない画面を作りたくないんです。画面は何かを表現するためにあるのであって、「とりあえず成立させるためにこういう画を入れておく、単にかっこいいから、気持ちがいいから」みたいな理由で作るのは死んでも避けたい。キャラクターの状況や感情、シーンの感情の移り変わりをベストな形で表現できる方法を考えて、「なぜこの画面が必要なのか?」と考えた時に全て必然要性のあるものだけで構成されているようにしたいんです。自分ができているとは到底思いませんが、映像作品を制作させていただくにあたって私の理想や心意気はそこにあります。構造的に美しく完成度の高いものを目指したいのです。
──それこそ第1話は、モモの登場シーンから目が離せませんでした。
山代:モモは楽しくない日常をずっとループしているような感覚だったのだろうと。だから、教室のシーンでモモは画面の真ん中で吠えているが、友達に軽くあしらわれる。画面上では中央に位置するシーンの主役ですが、専有面積は小さく影響力がない。そして教室のシーンは最初と最後で同じポーズから始まり、同じポーズで終わる。廊下を歩くカットも常に同じアングルになっているわけです。オカルンとの出会いは彼女にとっての非日常で、転換点でもあったわけですから、そこまでの差として、出会う前まではループ感というかルーティーン感を軸にシーンを組み立てました。
このようにオカルンと出会う前のモモのシーンはそのルーティン化した日常の退屈さみたいなものが画面だけで伝わるようにしています。とはいえ、かなり注意深く観察しないと気づかないレベルかもしれませんし、それでいいとも思います。。その「印象」を再現する上で必要な要素なだけであって、本来はそんなところに注目させるものではないからです。
ただ、私は絵描きではありませんからそうやってひとつひとつに必然性を持たせて積み上げないと映像に密度が出せないんです。やはり原作から伝わってくるものを最大限アニメでも再現する必要がありますから、細心の注意を払って細かく細かく組み立てていくわけです。他にも、このシーンはモモが教室で座っている席が違うなど、原作から細かい変更もありますが、何となくやっているわけではなく、映像に翻訳した際に作品の印象、匂い、空気感を減退させたくないからです。
──原作の魅力を映像化するうえで、龍先生とお話されたことはありますか?
山代:基本的には、自由にやらせていただいています。先生が仰っていたのは、大きくは主にキャラクターに関して「こういうことは絶対にしない」とならないようにだけ気をつけてほしいという1点のみでした。私がやろうとしていることに対しても理解を示していただいて、大変ありがたかったですし、任せてもらえたからには、必ずいいものにしようとも思いました。
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