The Tsuwabuki Festival begins where Yakishio Lemon’s love story comes to an end. The season enters autumn, and Komari takes the lead in planning the exhibition in the Literature Club, where the senior is no longer there. The episode depicts Komari trying to take a step forward, and in this interview, Umeda Shuuichirou, who plays Nukumizu Kazuhiko, looked back on Episode 8 and his memories with McCain and the others up to this point.
–This might be a bit of a nostalgic story, but can you tell us about your memories from the audition?
Shuichiro Umeda (hereinafter, Umeda): Of course, I take any audition hoping to pass, but I felt something was off about the role of Nukumizu, so I asked my manager, “Can I record this tape until I’m satisfied?” He said we could do it until any time, so we recorded carefully in the office studio until about 3am.
I recorded and submitted two versions of Nukumizu-kun that I had in mind: one that is philosophical but secretly has its moments of criticism, and one that sounds like the protagonist of a light novel.
After that, I was invited to a studio audition, which was also quite memorable. At that time, I was interacting with the actors playing Yanami and Yakishio, other than Komari-chan. At that time, I was thinking too much about Nukumizu-kun and I couldn’t tell which one was Nukumizu-kun, but the sound director, Yoshida Kohei-san, carefully directed me, and it felt like we were creating it together from the audition. This is a coincidence, but the actor playing Yanami at that time was Tono (Hikaru), and we were interacting together.
–So that’s how it was.
Umeda: Around this time, we often happened to meet on set, so it felt like we were meeting again! (laughs) I was happy that a series of coincidences allowed us to work together again.
–What was the reason that you felt that way?
Umeda: As I was working as a voice actor, I had a vague goal of wanting to be involved in a certain kind of work, and one of them was wanting to be involved in a light novel work that I would have read as a fan. Now that people are starting to know about me, it’s a big deal that I was approached about this audition.
しかもそれが、大好きないみぎむる先生がイラストを担当していて、もともと名前を知っていた雨森たきび先生の本だったので「おお、これは!」と思ったんです。さらにアニメの制作会社も憧れのA-1 Picturesさんだったので、余計にやりたい!と思いました。A-1 Picturesさんは、僕の大好きな作品の制作会社さんでもあったので……。
――そんな思い入れがあった作品だったのですね。TVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』は、開始直後から、次々と負けヒロインが生まれていったわけですが、第1〜4話までの、温水のポジションというのを、どう解釈していましたか?
梅田:僕の認識としても、監督やスタッフさんからお聞きした認識からしても、温水くんはなるべく他人でいようとする人なんです。一見コミカルなやり取りをしているように見えても、それは、温水くんがどこかで逃れようとしているからで、それが引き戻されているから面白いというところがあると思うんです。
あと、温水くんが関わらないようにすることで、八奈見さんのヘンなところが際立ったりする。ポテトを片手で掴んだりしているところとかもそうですけど、そういうところが面白くなるんです。心の中のツッコミは、自分の中でのことなので好き勝手やらせていただいたんですけど、八奈見さんたちと話すときは、怖ず怖ずと「そうなんだね…」って言ったりするので、そのギャップも面白いのかなって思いました。
――結構、小鞠以外はズカズカくるけど、温水のほうが、軽く避けていましたからね。
梅田:そのあたりは意外と気を遣いながら演じているところでもあって、油断すると温水くんが人馴れしているように聞こえてしまうんですよ。僕も陽キャではないけど、人前でお話をしたりする職業をしているので、ふとした時に、いつもの梅田が出てしまうんです。
そんなときに音響監督が冗談で「今の温水くんは、女慣れしちゃってるからイヤだなぁ」とおっしゃられて(笑)。僕も「それはイヤですねぇ」と返したりしていたんです。だから最初のほうの温水くんを見ていただくと、他人でいようとするところが、よりわかるかもしれないです。
――でも、あそこまで言葉を掛けてくると、思わず掛け合っちゃいますよね。
梅田:そうなんですよ! 反射で出るものなので。「温水はびっくりするよりも情けなくなってほしい」というディレクションもありまして。びっくりするくらいのコミュニケーションは取れないので、情けなくなるようにしていたのはこだわりポイントです(笑)。
だから焼塩が第2話で服を脱ぎ始めるところでは「あはーん」って言っていた気がします(笑)。そこはアドリブだったので、あまり覚えてはいないんですけど。
――アドリブだったんですね。
梅田:冷却スプレーを吹きかけるところの「シュー」も台本にはなかったと思います。あとは第4話で袴田に財布を差し出すところの「へぇ」もアドリブでしたね(笑)。ああいうところも遊んでいます。
――確かに情けない(笑)。アドリブだと個人的には、第1話で佳樹に「ですよね〜」と言われたときの温水もかわいかったです。
梅田:「おぉ…」ってやつですね。あれもアドリブでした。そこは、昔の某CMに出ていたチワワのイメージでした(笑)。僕の台本にはチワワって書いてあります。
――目がうるうるしていましたからね。
梅田:それはもう、リハ用の映像のときから、温水くんをかわいく描いてくださっていたから出たアドリブだったと思います。絵がなければ入れなかったかもしれません。
――ヒロインたちが振られていくところを近くで見てきた温水ですが、梅田さん的に印象に残っているマケインたちとのやり取りはありますか?
梅田:第4話までだと、やっぱり八奈見さんとの第4話の終盤のやり取りは印象に残っています。この作品は負けヒロインにフォーカスしている作品で、“負けヒロイン”と、フレーズにしてしまうとコミカルなんですけど、しっかり日本語にすると、選ばれなかった女の子とか、振られてしまった女の子という意味になるんですよね。だから、それぞれが、ちゃんと真剣にぶつかって振られているんです。
――笑えるところもあるんですけど、辛いとかかわいそうだなって思いますよね。
梅田:それこそ、第4話で八奈見さんを振った袴田が、八奈見にも幸せになってほしいと無神経なことを言うんですけど、それがかわいそうなままにならないのは、みんながそれぞれ頑張っているからだと思うんですよね。だから、悲劇のヒロインにはならないんです。負けヒロインではあるけど、人間的な部分では前に進んでいる。
八奈見が第1話の屋上で「無理矢理周りが進んじゃうから、こっちも進むしかなくなっちゃうの」って言うんですけど、それとは違う形で、焼塩は走っていたし、小鞠も、温水に「泣く、から……ど、どこか行って」ってちゃんと伝えている。それも前に進むから一人にさせてほしいという意味にも捉えられるから、みんなそれぞれにカッコいいところがあるなって思いました。そういうパーソナルな部分が描かれているからこそ、この作品が面白いのかなって思います。
――でもやっぱり「俺、彼女いますし。」は、一瞬笑ってしまうんですよね。
梅田:コミカルとシリアスのバランスが素晴らしいんですよ。あそこの、八奈見さんのポッキーが不自然なところで折れて、「物理を無視したポッキー」とネットで言われていたのは面白かったです(笑)。ポッキーもびっくりしているという。
――心が折れたというメタファーでもあったかもしれない(笑)。振られるだけでなく、そのあと立ち直って前へ進む姿が健気だし美しいというのが、負けヒロインなわけですね。挙げていただいた第4話の袴田と八奈見のシーンは、収録のとき遠野ひかるさんが嗚咽するほど泣いてしまったと話されていました。
梅田:確かにあれは嗚咽でしたね。遠野さんは八奈見を演じる上で、自分の感情を爆発させて、ぼろぼろになりながら演じていたんです。周りもそれはすごく素敵だねって思いながら聞いていたんですけど、監督たちが相談した結果、冷静さをギリギリで保ちながら、絶妙なところを目指したんです。あそこで、時間がかかってもとことんまでやろうと言ってくださるというのは、信頼関係と情熱がないとできないことだと思うので、すごく幸せなことだなぁと思いました。それにしても、あれを言う袴田の天然さはエグいですよね(笑)。
――あそこで温水が八奈見を庇うんですけど、あのシーンはすごく感動しました。
梅田:温水くんって普段は声を大きく出さないから、原作ではむせちゃってるんですけど、アニメだともう少しはっきり言ってもいいかなという感じでは演じていました。それでもむせて袴田に心配されていましたけど(笑)。あれも、人のために怒るってすごいなって思いました。温水くんは、気づいていないところで、八奈見さんのためにいろいろやっているんですよね。
――第1話でも、八奈見が困っているなと思ったら、助け舟は出していますからね。
梅田:他人ではいたいと思っているけど、放っておけないんですよ。だから温水くんは、良い子なんです。
――第4話の小鞠のエピソードでも、実際に合宿の翌日には小鞠は前へ向かっていましたからね。
梅田:そうですね。あれも泣けたなぁ。あそこって、小鞠ちゃんから行かないと、どうにもならない空気だったじゃないですか。月之木先輩からは特に行けない感じだったから、「明日からも部室、来てください。せ、先輩いないと、寂しい」って言えるのは大人ですよ。アフレコを思い出します……。
温水くんと、各マケインとの関係がそれぞれ色濃く違うのがすごく面白くて。焼塩が一番友達っぽくて、八奈見は友達だけど、八奈見という特別な人で、小鞠は、こちら側の友達みたいな感じがある。その関係性もすごくいいんですよね。
――先ほど、最初は他人と関わらないように演じていたと話していましたが、この第4話で、関わらざるを得なくなった感じはしますよね。
梅田:本当にそうですね。思い出すだけであれなんですけど、温水くんが八奈見さんを目で追っちゃうところが描かれたじゃないですか。それを焼塩にも言われていたけど、温水くんが今まで背景キャラでいようとしていた人生の中で、初めて訪れた変化がようやく第4話で出てきて、それに自分でも気づく……。
八奈見さんを大事に思うがあまり、もう会うのは止めようと言ったり。それもすごく下手なんですよね。もっと説明すればいいんですよ。こういう噂があって、きっと悪い影響があると思うからって言えばいいのに、一方的に関係を絶とうとしてしまった。そういう温水くんの不器用さも、すごくいいなと思いました。ハラハラはしましたけど。あと、最後の屋上のシーンも良かったですよね。「友達になってくれないか」って。
――告白していないのに振られて、好きでもなかったのに、負けヒロインの一員になるという。
梅田:そうですそうです(笑)。そして、これまで人と触れるのもためらうくらい人に関わってこなかった温水が八奈見とグータッチするのは、結構感動的でした。ここは大きな一歩だったし、温水くんの物語も、やっとここで始まったのかもしれないですね。アフレコのときも、遠野さんといい空気感が作れていた記憶があります。
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