This work includes the theme song Haruka'' for the TBS drama and movie
Takagi-san, the Teasing Master”, the theme song 800'' for the movie
Matching”, and the song sung at the online event Genshin Shinshun-kai 2024'' for the game
Genshin”. In addition to the song “End of All,” it also includes another version of “Ref:rain” rearranged for the overseas solo live tour, “Ref:rain -3 nuits ver.-.”
Four songs born from different places. What they have in common is that they are good songs created by the unique singer Aimer and the creators. In a world where songs with different temperature and scenery coexist, adding your thoughts will create a new color.
──2024 is almost half a year old. Looking back on the first half of the year, what are your impressions?
Mr. Aimer (hereinafter referred to as Aimer): 2021 will be the 10th anniversary of our debut, and we have been busy with what we called the “10th Anniversary Year,” but we were able to complete the run. Actually, the production of this work was almost finished by last year. Therefore, during the first half of this year, I was able to take some time for some private time and reflect on my current situation.
──Have you noticed any changes in your awareness of music while facing music in the first half of the year?
Aimer: Yes, there was. Through this period, I was able to reaffirm my thoughts on myself and music. When you’re concentrating on a live show or your own performance, your perspective tends to narrow, and you end up cutting down on your time for input. I felt that I needed time to really face the songs I had created up until now.
──It’s inevitable that the output will be continuous.
Aimer: Yes. When I get busy, I tend to reduce unnecessary actions and thoughts as much as possible. When I do that, my mind loses space and playfulness, and I can’t come up with anything interesting…but now I’m in a period where I’m once again increasing the amount of time I spend doing useless things. In my daily life, I’m trying to increase my thoughts and habits of “deliberately detouring.”
That’s why I feel like I now have more room to input and have more time to think about what I need within myself to create something new.
It’s been a big change for me to be able to incorporate new ideas and inspiration while reviewing my previous works. I’m now in a state of mind that allows me to face new things, and I’m able to approach production with a positive attitude.
──How does Aimer refresh himself when he runs out of mental space?
Aimer:後ろ向きになってしまうことはしょっちゅうあるんですよ(笑)。そういう場合は、その沼みたいなものに浸かりきって制作に向けてしまう時もあれば、その日は沼から足を洗ってとにかく寝るっていう時も。なかなか眠れない時は香りやメディテーションなどを取り入れて、なるべく安らげる時間を作るようにしています。
──音楽を聴いてリフレッシュされたり、その気分にどっぷり浸るということも?
Aimer:あります。そういう時に音楽に救われることもすごく多かったです。自分もそうだったので、自分の音楽を聴く方にもそういうふうに思って欲しいなという気持ちはありますね。
──真摯に音楽と自分の心に向き合ってきたAimerさん。本作にはどのような気持ちで向かったのでしょう?
Aimer:これまではコンセプトを決め、道筋を立てて制作することが多かったのですが、今回はそれぞれ別のシチュエーションで、全く異なる心のモードの時に制作しています。今回のアートワークでも象徴している通り、いろいろなキャンバスに、その時々の質感で描いたものをひとつに閉じ込めました。
──あのアートワークも印象的ですよね。いろいろなものが雑多に置いてあるようにも見えるのですが、Aimerさんの作品であり、クリエイティブなものだということは一目で分かるっていう。
Aimer:いつもご一緒させていただいているアートディレクターの松田 剛さんのアイデアです。自分の中にいろいろな感情やモードがあって、それらを一つひとつ、その場に応じて取り出していくような感覚で曲を作っていったんです。
悪く言えば雑多ではあるんですけども、それをあえて整理整頓せずにそのまま形にして……そのイメージを松田さんに伝えたところ、美術室のようなイメージを提案していただきました。美術さんがそれぞれのモチーフを全部用意して、あの空間を作ってくださって。自分の脳内が具現化しているような、不思議な感覚でした。
置いてある筆も実際に色がついていたり、ちょっと触れると位置が変わってしまうような繊細なものもあったりして、その中で撮影をするのが楽しかったです。
──アナログならではの独特の温かみと言いますか。Aimerさんの音楽と同様にアートワークにも宿っているように思います。
Aimer:今の時代は画像処理でいろいろと作れたりしますが、だからこそ、アナログなアートワークにこだわる部分は昔から一貫しています。音楽と一緒で、やっぱりディテールを誤魔化したくないなと思っていて。受け取る方に、そのまま伝わってほしいなという思いがあります。それは、そうであったらうれしいなと。
──あまり綺麗にしすぎると生々しさが失われてしまうこともありますよね。Aimerさんの音楽を聴くと、そのリアルな感覚を感じ取れるんじゃないかなと思います。そういう意味では、現在配信中の「遥か」(TBSドラマストリーム『からかい上手の高木さん』主題歌/映画『からかい上手の高木さん』主題歌)のスケール感と聴き手との距離感のバランスというのも、ものすごく絶妙な気がするんです。
Aimer:ありがとうございます。『からかい上手の高木さん』のドラマと映画の主題歌になるというお話をいただいてから作りはじめていったんです。原作を読ませていただいたのですが、本当に素晴らしい作品ですよね。映像化されたときにも同じことを感じたのですが、すごく透明度が高いというか、高木さんと西片、ふたりの関係が尊いと言いますか。
──尊いですよね、本当に。ぎゅっとなります。
Aimer:そうなんですよね!(笑) そういう高木さんと西片の尊い関係性をどうやって音楽で表現しようかな?と考えていたとき……ふたりの関係性を象徴しているのは背景や風景なのかもしれないなって思ったんです。
もし高層ビルが立ち並んでいる大都会だったとしたら、ふたりのあの関係はああいう風にはならないんじゃないかなって。ちょっと足を伸ばしたら海があったり、後ろに山々が見えていたり。ふたりがよく行く神社からの景色も、すごく素敵ですよね。
読み手からするとすんなり受け取ってしまうところではありますが、ふたりの当たり前な日常にある環境というのが、ふたりの関係を成立させる要になっているんじゃないかなと。
それで、景色が浮かぶような曲になれば良いなと思っていました。ふたりの純粋性や透明度を音楽として表現するためにも“海が見える街で広がっていくストーリーであること”を想起させるような曲になったら良いんじゃないかなって。
──それで冒頭で“海岸線の雨に ちらばった君の影 思い出が交差する 海辺の街”と歌われているのですね。
Aimer:そうですね。言葉としてもダイレクトに届けたいなって。
──引きのカメラのアングルでふたりを押さえたような、視覚的な印象がとても強い曲でもあって。サウンド面に関してはどういった構築の仕方をされたのでしょうか。いつもよりもシンプルな印象を受けました。
Aimer:普段はいろいろな楽器が常に鳴っているような、厚みのある曲が多いのですが、今回はあえて音数を少なくしています。
舞台の海が見える街って、空がいつも広く存在しているということでもあるなと思って。もしそこに高い建物があったとしたら、海が見えなくなっちゃうじゃないですか。海のような開けた空間をイメージさせるには、曲を音で埋めるよりも音を引いて広く見せる方が良いんじゃないかなって。プロデューサーの玉井さん(玉井健二)と話しながら、そういうアプローチで作っていきましたね。
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